ヒスイの意味、そして名前の由来が面白すぎる件について

ゼロから始める宝石入門

古代から、特別な石として人々を魅了してやまないヒスイ。
そんなヒスイに込められた意味、そして名前の由来とは⁉

前回の記事、

も併せて読んで頂くとヒスイの魅力に目覚めてしまうかも^ ^

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ヒスイを身に着けることに人はどんな意味を見出すの?

花に花言葉があるように、
天然石にも各々石の意味(石言葉)があります。

例えば、
アメジストは「真実の愛」「誠実」「平安」
ローズクォーツは「愛を育む」「優しさと思いやりを高める」

では今回の主役、ヒスイの意味は?
ヒスイは「健康と繁栄」「長寿」「幸福」

ヒスイの明るい緑色って、
どこか早春の芽吹き始めた若葉の色を思い起こさせますね。

そう感じた古代の人々は、

「いつまでも若々しくいられるように!」

その願いを込めてヒスイを身につけていたと言います。

日本では、縄文時代から勾玉(まがたま)などに加工されて、
若々しさの象徴として、また邪気を払う御守りとして信仰を集めて来ました。

新潟県糸魚川産本翡翠(硬玉)製の勾玉

中国ではヒスイを持つと、

「仁・義・智・勇・潔」の5つの徳を修めることが出来る

そう考えられて来ました。

近年のパワーストーンブームの波に乗って、

成功と繁栄を象徴する石、
秘めた能力を開花させて夢や目標を達成する石

として翡翠は再び脚光を浴びています。

「物の時代」から「心の時代」へと変化している現在、

人は、美しさだけではない何かをヒスイに見ているのかも知れませんね。

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ヒスイの価値はその安定感にあり!

ヒスイを研磨するとその硬さに驚きます。
ヒスイを研磨した後で水晶を削ると、

「水晶、柔らか〜」

って感じます。鉱物図鑑を見ると、
ヒスイのモース硬度は6.5〜7、水晶の硬度は7と紹介されています。

水晶原石

モース硬度とは石の傷つきやすさを表す指標になる物で、
最も傷付きにくいダイヤモンドを10として、
数字が小さくなるほど傷つきやすい事を意味します。

参考までに身近な物だと、
カッターナイフの刃が5.5、ガラスが5、10円玉は3.5、爪はだいたい2.5。

「あれれ、水晶とヒスイだとモース硬度がだいたい同じ。
なんだったら水晶の方がヒスイより硬いんじゃない?」

って思いません?

実はヒスイ、結晶が繊維状に密に絡み合っているので、
なかなか結晶同士を引き離すことが出来ません。

この結晶同士、分子同士を引き離しにくい性質を靭性(じんせい)と言って、
ヒスイはこの靭性に極めて富んでいます。

つまりなかなか削れない、また割れないんですね。

例えば、一般的なガラスはハンマーで叩くと粉々に割れてしまいます。
ところがヒスイはハンマーで叩いても、「ドスッ!」って感じ。
そうそう割れません。

おまけにヒスイの溶ける温度(融点)は、℃。
火事の時、炎は1000〜1200℃になると言われているので、
わたしたちが日常的に経験する温度ではヒスイは安定している。

傷つきにくく、割れにくい、燃えにくい。

アクセサリーとして普段使いするのにヒスイは安心。
そう言う意味でもヒスイは価値ある宝石と言えるのではないでしょうか。

意外なところに名前の由来が!ミャンマーのヒスイとカワセミ

ヒスイは漢字で書くと「翡翠」
翡は赤色、翠は緑色を意味します。

ところで、「翡翠」は「ヒスイ」以外に、
もう一つの読み方があるのをご存知でしょうか?

やはり赤色と緑色を併せ持っている。

ヒント?
ヒントは鳥の名前、
確かに体の色が赤と緑です。



実はもう一つの読み方は「カワセミ」
あの水辺にいて鮮やかな羽根の色が印象的な鳥のカワセミです。

ヒスイの世界的産地ミャンマーは高温多湿な地域。
すっかり風化して赤茶色になった土の中からヒスイは採掘されます。

その土の色に染まって、
ヒスイの表面は赤茶色く見えます。

原石を削ってみると、
表面に近い部分は赤っぽく、内側には緑色が見える。

かつて人は、そんなヒスイをカワセミの色合いに見立てて
「翡翠」の字を当てたと言われます。

こちらがミャンマー産のヒスイ(硬玉:こうぎょく)原石です

表面の褐色と、少し削った所から見える緑色
なるほどカワセミの様な色合い

素敵な発想ですね♪

ヒスイは色のバリエーションがとっても豊かな石で、
大まかに分けただけでも、

白、黒、緑、青、赤、紫(ラベンダー)、橙、桃色があります。

ただヒスイ自体は本来、白い色をしていることが多くて、
色んな不純物が混じることで、例えば、

・鉄+クロム → 緑色
・チタン+鉄 → 薄紫色、青色
・石墨(炭素)  → 黒色

などのように発色しています。

ダイヤモンドやエメラルド、ルビー、サファイアの様な煌びやかさとは違う。
艶やかで涼しげな凛とした美しさを持つ石、ヒスイ。

「東洋の宝石」とも呼ばれる様に、
その魅力を理解したのは東洋人でした。

18世紀、ミャンマー北部カチン州でヒスイが発見された時、
ヒスイの採掘、加工、流通させたのは中国人。

ミャンマー(ビルマ)を統治していたイギリス人の興味は、
もっぱらサファイアやルビーに向けられるばかりで。

ビルマ・ルビー鉱業会社を設立するほどでしたが、
ヒスイには目もくれなかったと言います。

ルビー原石
サファイアの指輪

きめ細やかな東洋人の肌にしっとりと寄り添ってくれるヒスイ。

ブレスレット、ネックレス、ペンダント…
デザインも洗練されて、日本でも根強い人気があります。

身につけると、
ほんのりと優しい色合いに
上品さや清楚、気品の香りがしてくるような。

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