数ある宝石の中でも、ヒスイの購入は難しいと言われます。
なぜなのか?ではどのような点に注意すると良いのか?
今回はヒスイの価値に着目です^^
なぜヒスイの値段はピンキリなのか?
こんにちは!
nobu☆です(^O^)/
ヒスイって宝石の中では割とよく聞く名前ですよね。
翡翠(ヒスイ)と一言で言っても、
市場では様々な石がヒスイの名を冠して売られています。例えば、
インドヒスイ(インディアンジェード)。
こちら、本当はアベンチュリンクォーツと言う水晶の仲間、
ヒスイとは全然違う別の石なんです。
インドヒスイの丸玉
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インドヒスイと言う呼び方は、いわゆるフォールスネーム(偽の名前)。
より高価で、一般的に知られた名前を付けることで、
石の価値を上げる意図があります。
「ヒスイじゃないけど・・・、まぁヒスイに似てるし、
インドヒスイって呼んだ方がお客さんに分かり易い、
いや、より高く売れそうだし ( ̄ー ̄)ニヤリ」
みたいな。
シトリンの事を、
シトリントパーズと読んだりするのもその類ですね。
他にも、
フォールスネーム(偽の名前) | 本当の名前 |
オーストラリアヒスイ | クリソプレーズ |
コロラドヒスイ | アマゾナイト |
アマゾンヒスイ | アマゾナイト |
トランスバールジェイド | グロッシュラーガーネット |
ニュージェイド | サーペンティン(蛇紋石) |
ホワイトジェイド | カリフォルニア産の白く半透明のグロッシュラー(ガーネットの一種) カルセドニー、カルサイト、クォーツァイトの白い物 |
朝鮮ヒスイ | 蛇紋石 |
アフリカンジェイド | グロッシュラーガーネット |
いずれも「ヒスイ」じゃない、なんちゃってヒスイたちです。
グロッシュラーガーネットとかヒスイって呼ばなくても、
まんま通用すると思うんですけど。
では、本物の「翡翠(ヒスイ)」とはいったいどんな石なのでしょうか?
現在ではヒスイと言えば
広義にはジェダイト(硬玉)とネフライト(軟玉)の事を言いますが
狭義にはジェダイトのみを差し、それ故ジェダイトは「本翡翠」とも呼ばれます
ミャンマー産ジェダイト(本翡翠)の原石
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ネフライトの原石(産地不詳)
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私が、台湾東部の都市、花蓮(fualien)を訪れた時のこと。
大理石が産出することで有名なこの街は、
歩道に大理石が敷き詰められ、
![](https://nekkonone55.com/wp-content/uploads/2021/01/84ee5117847a7cb9210d17565daf6f4f.jpg)
花蓮石彫博物館の庭には、
大理石の彫刻作品が所狭しと展示されています。
![](https://nekkonone55.com/wp-content/uploads/2021/01/d4a1841d7af403ff56599ba747ea1a44.jpg)
![](https://nekkonone55.com/wp-content/uploads/2021/01/adf080ae410db7a7a9bdcba13e155f3a.jpg)
また港には
輸出を待つ大理石のブロックが積み上げられていました。
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この街でお世話になった宿屋のご主人は
私が宝飾関連の仕事をしていると聞いてこう仰るのです
「花蓮はヒスイも採れますよ。
街中にはヒスイを扱う店が沢山あるから是非見に行って下さい!」
「花蓮でヒスイ!?それって本物のヒスイ、ジェダイトですか?」
と尋ねると
「英語は分からないけど、ヒスイですよ」
とても親切にして下さるご主人が適当な事を言うとも思えず
早速街に出て、宝石店数件を回って見ました
なるほど、店内には「翡翠」を扱うコーナーがあり
翡翠製のネックレスやブレスレット、置物が並べられています
店員さんにお話を聞くと、
「こちらが翡翠で、こちらはメノウです。
どうですか?色の深みが違うでしょう」
みたいな感じで、手にとって見せて下さった翡翠は、ネフライトでした
親切な店員さんは、更に
「翡翠は高いです。こちらはガラスで作った翡翠の模造品です
良く出来ているでしょう!こちらなら安いですよ」
と勧めて下さるのは、ネフライトそっくりに出来たガラス!?で
見た目には見分けが付きそうにありません
花蓮の郊外、豊田地区には
ネフライトの採れる鉱山がある事は後になって知りました
このように、ネフライトもヒスイとして立派に流通しており、
台湾ヒスイやニュージーランドヒスイ、ワイオミングヒスイなど
産地名を付けて呼ばれています。
「ヒスイの価値が上がる ≒ ミャンマー経済が潤う」 そのワケは?
古来中国では、ネフライト(軟玉)こそが最高の玉(宝石)
中でも「ホータンの白玉(和田玉)」が最高級とされていました。
ところが、13世紀ミャンマーでジェダイト(硬玉)が発見されると…
より色彩豊かなジェダイトが、ネフライトに変わって
中国の玉(宝石)の主流となって行きます
ヒスイの中で宝石として扱われるのは、
このジェダイト「本翡翠(ほんヒスイ)」です。
ネフライトは比較的産地も多く手に入り易いため
一般のアクセサリーショップなどでも安く売られています。
ネフライトの丸玉
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ジェダイト(硬玉)、本翡翠は
世界的に見ても産地がかなり限定され、更に
宝石として扱われる高品質の物はほぼミャンマーで採掘されています。
ジェダイトの丸玉
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本翡翠は天然ガスに次ぐミャンマーの主要輸出品になっており
その額年間1200億円(2013年統計)ちなみに2012年は360億円
急激な輸出額増加が、需要の増加と価格の高騰を物語っています
これって本物?ヒスイの価値を正しく知るために出来ること
本翡翠は「東洋の宝石」とも呼ばれて、
中国や日本など東アジア地域で、特に人気があります。
中国では、ヒスイを持つと、
「仁・義・智・勇・潔」の5つの徳を修めることが出来る!
と信じられていました。
彫刻作品はもちろん
ブレスレットやネックレス、指輪などに加工されて、
いつも身に付けて置けるように工夫されて来たのです。
成功と繁栄を象徴する石として、
秘めた能力を開花させて夢や目標を達成する石として、
珍重されて来た本翡翠。
そんな本翡翠は、その価値を正確に評価することは極めて難しく、
熟練の目効きが必要になります。
それ故、購入に際しては、
次の3つのポイントを押さえておきたいものです。
1:専門店であること
色合いや透明度、傷の有無など、
本翡翠は数ある宝石の中でもとりわけ鑑定の難しい石。
それ故、本翡翠専門を謳っている店舗で購入するのが安心です。
2:産地が表記されていること
現在、宝石として流通している本翡翠は、
そのほとんどがミャンマー産。
(新潟県糸魚川産、グアテマラ産も少ないながら流通しています)
3:鑑別書が付いていること
鑑別書は、鑑定機関の威信に関わることなので、
間違いや虚偽がありません。
樹脂処理や着色処理など何らかの処理がされているかも含めて、
その石の素性を知ることが出来る大切な物です。
あとがき
桜が日本の国花であるように、
トキが日本の国鳥であるように、
ヒスイ(本翡翠)は日本の国石(こくせき)。
日本は、世界的に見ても本翡翠が取れる数少ない土地です。
我々の祖先はヒスイを使って、
すでに縄文時代から勾玉(まがたま)などに加工、
邪気を払う御守りとして人々の信仰を集めて来ました。
新潟県糸魚川産本翡翠(硬玉)製の勾玉
![](https://nekkonone55.com/wp-content/uploads/2021/01/ccd6f0c9656cff33089ffe4d7be9d1d3.jpg)
新潟県糸魚川市のフォッサマグナミュージアムには、
周辺で採取されたヒスイたちがゴロゴロ展示されています。
このヒスイって。
縄文の人々が見ていたヒスイと時を同じくして産まれたんだよね。
およそ3000年の時の隔たりを通して同じものを観てるんだ。
そう思うととても感慨深かったです。
今回も最後まで読んで頂き有難う御座いました。
それではまた、お元気で^^
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