星の王子さまはどこから来たのでしょう?
星の王子さまの話をもとに、主人公であるパイロットが推測するところでは、
1909年にトルコの天文学者によって発見された小惑星・B612ではないかと。
この星は家一件より少し大きいぐらい、
王子さまのヒザほどの高さの火山が3つあって、
バオバブの木が3本も生えればもう星が覆い尽くされてしまう様な小さな星。
この星で王子さまは一輪のバラを育てていました。そのバラが
「あれやって!これもやって!」
と、色々不平不満を言ってくる。
そんな毎日に疲れた王子さまは自分の星を去り、
色んな星を巡った後にたどり着いたのが地球。
ここで星の王子さま、衝撃の事実を知ってしまいます!
【キツネが星の王子さまに語ったこと】
「バラ、メッチャある!ボクの星にはバラは一輪しかなかったのに」
その時のことを星の王子さまはこう回想しています。
I thought I was rich because I had just one flower,
and all I own is an ordinary rose.
花が一輪あるだけでボクは幸せだと思っていた。
でもそれはありふれたバラに過ぎなかったんだ。
That and my three volcanoes, which come up to my knee,
one of which may be permanently extinct.
あのバラとボクの膝ほどの高さの3つの火山。
しかも火山の一つは多分、もう永遠に消えたまま。
It doesn’t make me much of a prince …
And he lay down in the grass and wept.
そんな物でボクは立派な王子さまなんかなれやしない…。
そう思ってボクは草原に横たわって泣いたんだ。
自分の知ってた、大切にしていた世界が、
実はとってもちっぽけな存在だったと知ってしまう王子さま。
そんな時です。
星の王子さまはキツネに出逢います。
「遊ぼうよ」
と、声を掛けた星の王子さまにキツネは、
「無理だよ」
つれない返事をします。どうして?
キツネが言うには。
For me you’re only a little boy
just like a hundred thousand other little boys.
ボクにとって君は他の10万の子と変わらないただの小さな男の子だ。
And I have no need of you. And you have no need of me, either.
For you I’m only a fox like a hundred thousand other foxes.
ボクは君が必要じゃないし、君もボクのことが必要じゃない。
君にとってボクは他の10万のキツネと同じただのキツネだからね。
But if you tame me, we’ll need each other.
You’ll be the only boy in the world for me.
I’ll be the only fox in the world for you…
けれどももし君がボクを飼い慣らしたら、ボクたちはお互いが必要になる。
ボクにとって君は世界に一人だけの男の子になるし、
君にとってボクは世界に一匹だけのキツネになるんだ。
If you tame me, my life will be filled with sunshine.
I’ll know the sound of footsteps that will be different from all the rest.
もし君がボクを飼い慣らしたら、
ボクの生活はおひさまの光に満たされるだろう。
他とは違う足音が分かるようになるだろう。
Other footsteps send me back underground.
Yours will call me out of my burrow like music.
他の足音が聞こえたらボクは地面に隠れるけれど、
君の足音は音楽のように、巣から出るようボクを呼ぶ。
And then, look! You see the wheat fields over there?
I don’t eat bread. For me wheat is of no use whatever.
Wheat fields say nothing to me. Which is sad.
そして、ねぇ見て!向こうに小麦畑が見えるでしょ?
ボクはパンを食べないから、小麦は役立たずだよ。
小麦畑はちっともボクの興味をひかないものさ。それは寂しいことだ。
But you have hair the color of gold. So
it will be wonderful, once you’ve tamed me!
でも君の髪は金色だよね。
だから素敵だろうなぁ。君がボクを飼い慣らしてくれたら。
The wheat, which is golden, will remind me of you.
And I’ll love the sound of the wind in the wheat….
金色の小麦を見ればボクは君のことを思いだすし、
小麦畑を渡って来る風の音を大好きになれるんだ。
キツネとのやり取りを通して、
星の王子さまはあることに気づき始めます。
【星の王子さまのバラへの想い、それは】
星の王子さまは、
地球にたどり着いた初めの頃、
「バラ、メッチャある!」
と衝撃を受けたあのバラ園に戻ってバラたちに話しかけます。
You’re lovely, but you’re empty.
君たちは愛らしい、でも君たちは空っぽだ。
One couldn’t die for you. Of course, an ordinary
passerby would think my rose looked just like you.
誰も君たちのために死ぬことは出来ない。もちろん、
通りすがりの人から見ればボクのバラは君たちと同じように見えるだろう。
But my rose, all on her own,
is more important than all of you together.
でもボクにはあのバラが彼女の全てが、
君たち全部よりもずっと大切なんだ。
Since she’s the one I’ve watered.
だってボクがお水をあげたのは彼女なんだから。
Since she’s the one I put under glass.
ボクがガラスのおおいをかけてあげたのは彼女なんだから。
Since she’s the one I sheltered behind a screen.
ボクがついたてで覆ってあげたのは彼女なんだから。
Since she’s the one for whom I killed the caterpillars,
(except the two or three for butterflies).
彼女のために毛虫を殺してやったこともあった。
(蝶になれるよう2、3匹を除いて)
Since she’s the one I listened to when she
complained, or when she boasted, or even sometimes
when she said nothing at all. Since she’s my rose.
文句や自慢話、時々は黙り込んでしまっても聴いてあげたりもした。
だって彼女はボクのバラだもの。
【星の王子さまが見つけた愛の形】
大切なものは初めから大切だった訳じゃない。
愛おしい人は初めから愛おしいかった訳じゃない。
その物と、その人と、
どれだけ同じ時を過ごしたか。
その物を、その人を、
どれだけ思いやったのか。
その犠牲を通してこそ、
大切なものになる、愛おしい人になる。
ジョンレノンは作曲した「Mind Games」の中で、
次のように言っています。
Love is like a flower.
You’ve got to let it grow.
愛とは育てなければならない花の様なもの。
星の王子さまはキツネとの出会いを通して、
自分がバラを愛していたことを知ったのではないでしょうか。
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